欧米では強制的に店舗などのロックダウンが行われた(写真はニューヨーク)

 100年に1度とも言われる歴史的な新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の広まりで、世界、そして日本でも、その対策に試行錯誤があった。

 感染防止のために規制を強めれば効果は大きいが、会社や個人事業主の破産にもつながる。日本政府や地方自治体の首長の判断・決心は難しい。

 特に、国家の長が決断し、予算を付け、業者に依頼し、建物を準備し、組織を運用するためには、少なくとも1~2年の準備がかかるのが普通だ。

 とはいえ、国民の命を左右する感染対策だから、一刻の猶予もない。即座に実行しなければならない。

 だが、思うようには結果が出ない。運用の難しさを知る実務者の対策は、机に座って考えている評論家やコメンテーターのそれとは大きく異なるところだ。

 世界では今、コロナの変異株による拡大スピードとワクチン接種スピードのどちらが速いのかで国家危機の明暗を分けている。

 英国やイスラエルの接種は早く、感染者数の減少には目を見張るものがある。

 約3300万人という世界で一番多くの感染者を出した米国でさえも、ワクチン接種の効果が出て収束しつつある。

 一方、インドでは感染者が1日40万人を超えるほど爆発的に増加し、ブラジルでは中国製のワクチンを接種していても、1日に7~8万人という高止まり状態にある。

 日本が欧州各国に比べて感染者や死者の数が約5分の1以下と少なかったのは、日本人の衛生習慣や要請に応ずる道徳観、医療関係者の尽力、対策本部の提言が概ね正しかったからだろう。

 とはいえ、世界や日本は今でも感染拡大は予断を許さないし、医療の現場は逼迫している。