米アップルが、新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける従業員に有給休暇を付与すると、米ブルームバーグが3月29日に報じた。接種後に副反応の症状が出た場合は有給病気休暇も付与するという。
アップルCEO、オフィス再開に期待
アップルは社内施設でのワクチン接種を実施しないが、オフィス勤務を再開した従業員を対象に社内でPCR検査を実施。小売店従業員や在宅勤務者には郵送方式で検査を実施している。
同社では昨年の新型コロナ感染拡大以降、症状が出た従業員に有給休暇を付与している。多くの従業員は今も在宅勤務中だが、直営店のスタッフは徐々に職場勤務を再開している。
同社は3月1日までに米国内にある直営店全270店の営業を再開した。アップルが本社を置く米カリフォルニア州には直営店が50店以上あるが、先ごろカリフォルニア州は、2021年4月15日から16歳以上の全住民がワクチンを接種できるようになると明らかにした。
またバイデン米大統領は3月29日、米国成人の9割が4月19日までに接種の資格を得ると発表した。
こうした対策を受け、アップルは6月にも、多くの従業員をオフィス勤務に戻したい考えだという。同社のティム・クックCEO(最高経営責任者)は昨年末、オフィス勤務の再開に自信を示していた。ただし、柔軟な方法で実施するという。
同氏は「対面による共同作業の代わりになるものはない。だが我々はオフィスの外でも生産性を損なうことなく働ける方法を見いだした。コロナ終息後はこれまでに学んだ良い方法を継続し、最高の行動変容を実践しよう」と述べた。
アマゾン、従業員向け接種会場を開設
他のテクノロジー大手も従業員などに向けたコロナ対策に取り組んでいる。米アマゾン・ドット・コムは3月25日、米国の物流施設内にワクチン接種会場を開設すると明らかにした。