米アップルが、米国内にある全直営店の営業を再開したと、米CNBCなどが3月1日に報じた。同国内で最後まで閉鎖していたテキサス州の店舗が同1日に再開した。現在は予約制で営業している店もあるため、顧客は出かける前にウェブサイトで店舗情報を確認する必要がある。だが、これで同国内の全270店がそろって店を開けた。1年ぶりとなる。
再開と再閉鎖を繰り返した2020年
アップルは新型コロナウイルス対策で2020年3月に中華圏を除く全世界の直営店「Apple Store」を一時閉鎖した。その後、マスクの着用や検温、人数制限、距離の確保などの安全対策を取りながら、徐々に営業を再開。しかし、同年6月以降に感染者数が再び急増したことを受け、カリフォルニア州やフロリダ州、アリゾナ州などの店舗を再び閉鎖。その後も再開と閉鎖を繰り返しながら、感染症予防と営業活動の両立を模索してきた。
同年10月には、「エクスプレス」と呼ぶ、サービスカウンターのみの店舗を拡充すると発表。ガラス板で仕切られたカウンターの中から接客する形態の店舗で、顧客はオンラインで注文した商品を受け取ったり、対面で技術スタッフから説明を受けたりした。リテール部門担当ディアドラ・オブライエン上級副社長は、「適切な対人距離を保ち、すべての安全手順を守ることができる」と述べていた。
ただ、同年12月には、カリフォルニア州で新規感染者数が過去最高を更新。同州では全5地域のうち4地域で不必要な外出を禁じる自宅待機命令が再び出され、小売店は収容人数を2割以下に抑えるよう求められた。これを受け、アップルは同州の全53店舗を再び一時閉鎖した。
ロックダウン解除へ
米国では新規感染者数や死者数が減少傾向にある。ワクチン接種も進んでおり、ロックダウンが解除されつつあるという。米疾病対策センター(CDC)によると、米国では、3月1日までに人口の15.3%に当たる5073万人が少なくとも1回目のワクチン接種を受けた。
2回目の接種を受けた人は7.7%の2547万人。こうした中、同国では21年内に事業活動が正常化されるとの期待が高まっているという。
一方、米国外のApple Storeは、フランスの12店舗とブラジルの2店舗が一時閉鎖中。メキシコの2店舗は3月1日に再開したという。