2万2000~2万4500円程度までの調整を想定

 ──株式市場の上昇トレンドはもう終わりなのでしょうか。

 エミンさん 中長期的な目線では、日本株の強気見通しに変わりありません。私は2025年までに日経平均株価は5万円まで上昇すると思っています。一方で、株価がずっと上がり続けることはありません。再び上昇していくために必要な調整と考えましょう。

 ──今後調整が起こるとして、どんなきっかけが考えられますか。

 エミンさん 現時点では、何が調整の引き金になるかは分かりません。新型コロナの猛威を抑えるためにバイデン氏が大規模なロックダウンを断行するかもしれませんし、リーマンショックのようにどこか大きな会社の倒産がきっかけになるかもしれません。

 あるいは、明確なきっかけがなく下がっていく可能性もあります。2020年2~3月のコロナショックがそうでした。新型コロナはもっと前から出ていましたので、何かが急に起きたというより、それまで上昇してきた株価が燃料切れしたような下落でした。今回も同じような息切れ感が見受けられますが、いつ調整が起こるかを事前に見通すことは困難です。

 ──調整局面が訪れたとき、どの程度下がるでしょうか。

 エミンさん 個別で見れば、日本株にそこまでの割高感はありません。しかし、米国の株式市場が転べば影響は避けられません。日経平均の値嵩株である東京エレクトロン、ファーストリテイリング、ファナックなどから資金が流出することで指数が崩れる局面が訪れるでしょう。いつ起こるかは明言できませんが、2万2000~2万4500円程度までの調整は想定したほうがいいと思います。

 重要なのは相場の荒波を乗り越えて上昇局面で利益を取ること。上昇時に利益を取れても、荒波に飲まれては元も子もありません。上値を深追いせず、「売り買いは腹八分」を心がけましょう。

2021年も「脱炭素」「5G」「DX」が大きなテーマ

 ──これから投資を始める人は、もう少し待った方が良さそうでしょうか。

 エミンさん 中長期的にはいつ始めても大差ないと思います。先ほど言った通り、数年後には日経平均は5万円になっているはずですから。今2万8000円で買っても、2万2000円まで下がってから買っても5万円と比べたらそこまで気にならないですよね。

 ただ、せっかく始めたのにすぐに下がったら悲しくなってしまうでしょう。まずは少しずつ買ってみるとか、今のうちに証券口座を開設しておいて下がったらエントリーするくらいの余裕を持ってもいいと思います。去年の3月のような下落があれば、まさにチャンスです。

 ──最後に、今年注目している業種、テーマについて教えてください。

 エミンさん 国策である「脱炭素」「5G」「DX」が引き続き大きなテーマになるでしょう。すでに上がっている銘柄も多く、今後調整が入れば買いの好機です。少し先の話になりますが、新型コロナのワクチン接種が進めば出遅れている「観光」関連も盛り上がってくるはずです。その時は「GoToトラベル」も再開されるでしょうから、いまのうちから仕込んでおくのも手だと思います。

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