現時点でIR誘致に名乗りを上げているのは、横浜市、大阪府・市、和歌山県、長崎県・佐世保市の4カ所。今後、他の自治体が名乗りを上げる可能性もあるが、現状のままだとこの4カ所の中から、最大3カ所が選ばれることになる。そして本命とされているのは、横浜と大阪である。

 横浜市は1月21位置にIR事業者の公募を開始した。昨年実施されたコンセプト提案にはギャラクシーエンターテイメントジャパン、グンティン・シンガポール・リミテッド、SHOTOKU、セガサミーホールディングス、メルコリゾートツ&エンタテインメントリミテッドの5社が参加しており、これらの事業者が中心となって応募するものと思われる。

 一方、大阪府と市が昨年2月に共同で行った公募で応じたのは一社のみだった。米カジノ運営会社MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックス連合だ。

 この結果、大阪が選定された暁にはMGM・オリックス連合がIR事業を運営することが事実上決定したのだが・・・。

*写真はイメージ

地下鉄延伸費用の一部負担が条件の大阪

 大阪の公募に他のIR業者が応募にしなかった理由を、在阪の全国紙記者が解説する。

「大阪のIR予定地は、大阪湾に浮かぶ人工島の夢洲(ゆめしま)です。夢洲は、2025年開の関西万博開催地にもなっています。府と市の見積もりでは、夢洲インフラ整備の総事業費は約936億円。最大の費用は、大阪メトロ中央線の延伸と夢洲新駅の建設費約540億円で、そのうち202億円をIR事業者が負担することになっています」

 この巨額な費用はリゾート施設等の建設費とは別なので、資金に余裕のないIR業者は公募に手を挙げられなかったのである。