テレワーク下で起きやすい問題を理解したうえで、育成や指導を行う

 テレワーク下のOJTでは、業務だけでなくオンライン、在宅という特有の環境下であることにも注意を払わなければならない。在宅で仕事をするため、オンとオフの境目がなくなるため、働くうえでのメリハリはなくなっていく。また、家庭の状況によっては、集中できる環境を確保するのが難しくなる従業員もいる。一人で業務に取り組む時間が多い分、不安感や疎外感、孤立感も感じやすい。

 新入社員は就職や転職といった環境の変化に晒されており、入社したての頃は特に不安を感じやすい状態といえる。職場の雰囲気にまだ慣れず、周囲との人間関係も希薄なため、教育担当はそのような状況下に新人がいることを認識したうえで、フォローするようにしよう。相手の状態を理解することで、その後の育成や指導のアクションも変わってくるだろう。

●育成ビジョンの共有は安心感を生む
 不安感や疎外感を解消するには育成ビジョンの共有も効果的だ。例えば、「1年後にどのような人材を目指してほしいか」、「会社が期待していることは何か」、「どのような想いでビジョンやミッション、バリューを会社は掲げたのか」、「上司や先輩は日々どのような想いで業務に取り組んでいるのか」といった会話を交わすことで、新人側は会社が期待していることや、一緒に働く従業員の考えが理解でき、安心感が生まれやすい。

 新型コロナウイルスの感染拡大を機に、テレワークでOJT指導を行う企業が増えた。今後、対面(リアル)主体の働き方に完全に戻ることは考えにくく、テレワーク下でいかにうまく人材育成を行っていくかを会社全体で考えていかなければならない。本記事ではいくつかオンライン時の育成ポイントを紹介した。オンラインと言っても、人と人の関係で成り立っていることに変わりはないため、まずは新入社員が不安感や疎外感を抱きやすい状態にあるかを理解したうえで、OJTを実施するのが良いだろう。

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HRプロ編集部

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