投資は「つまらない」ぐらいがちょうどいい

 ──ダンさんは動画の中で、投資資金は基本的に長期で運用するけど、一部は短期投資に振り分けるといい、という話をよくしていますよね。どうして短期投資が必要なのでしょうか?


10月27日に公開された『ダウが急落! 大統領選挙の影響、まだ終わってない?』でも短期投資の重要性と、ダンさんが実際に行っている短期投資のポジションについて話しています。

 ダン 必要というほどでもないけどね。でも僕の経験からいうと、長期投資をメインにしながら短期投資も付け加えると、投資のパフォーマンスが向上します。だからヘッジファンドは大抵、投資戦略を一つではなく、複数持ちます。

 単に株を買い持ちするだけというように戦略が限られていると、コロナショック時のように、あらゆる資産が売られる局面では、一緒に下落してしまいます。相場が戻るまでの数カ月間は、きっとストレスが大きい時期を過ごすことになるよね。

 そんな時に短期の戦略として空売りも同時にできれば、下落相場を収益の機会にできるし、回復時は長期投資が上昇の波に乗ります。複数の戦略を持って、マーケットに合わせて使い分けるほうが、結果的にパフォーマンスはいいと思うよ。もちろん長期投資だけでもいいんだけど、短期投資にも興味があれば、チャレンジしてほしいな。

 ──長期投資は意外とつまらないですし、短期のほうが勉強にもなるし、やっていて楽しいといったメリットもありますか。

 ダン そうだねぇ……。投資はあまりエモーショナルにやるべきではないと僕は思う。投資において「つまらない」と感じるのは、必ずしも悪いことではありません。面白いと感じることは悪くないけど、感情が出過ぎるのはちょっと危ないかな。「これは大好き」「こっちは嫌い」とか、投資に極端な感情は禁物です。できるだけ感情を込めず、ロボットみたいにやるのがいい。それで僕はこういう性格になったのかも(笑)。

つまらない投資で「つまらない」と感じるのは、悪いことではないけど、目の前のガールフレンドを退屈させちゃだめです。もちろん写真はイメージで、ダンさんではありません!

 ──よく好きな企業や応援したい企業の株を買え、なんていうじゃないですか。それはどう思いますか。

 ダン それは反対だな。感情が出過ぎています。僕も経験あるけど「好き」を理由に株を買うと、客観的に考えることが難しくなります。ウォーレン・バフェットなんかも、好き嫌いの感情を差し込む余地がないような、地味で堅実な会社の株を好んで買っていますよね。エキサイティングではないけど、株式投資はそのほうがいいと思います。

 ──それでは、ダンさんの日本での活動のゴールについて聞かせてください。

 ダン いまはまだ考え中。幸い、あちこちから声を掛けてもらうようになって、いろんな可能性が開けてきました。だからいまはまだ絞り切れていない状況です。でもYouTubeチャンネルは絶対続けます。とても影響力のあるメディアだし、自分自身の勉強にもなるしね。

 金融以外だと、教育に関心があるかな。というのも、日本に来て一番びっくりしたのは、英語能力が低いこと。これはちょっと問題だと思う。東南アジアの国々よりもずっと英語のレベルは下です。だから英語と金融に力を入れた学校を作るというアイデアもあります。

高橋ダン金融と英語に力を入れた学校を作るというアイデアもあるそうです。それは絶対日本に必要ですね。

 ──それはいいですね。大人も通える学校だとうれしいです。では最後に、ダンさんのYouTubeチャンネルを始めて観る方に向けて、まずはこれから観てほしいという、お勧めの動画3本を教えてください。

 ダン 僕の動画の中で? そうだね、まずは6月に公開した『日本を強くする3つの提言!?【究極のアイデア!】』。これは再生回数はそれほど多くないけど、日本をもっと強くするための僕なりのアイデアについて話したのでぜひチェックしてほしいです。


『日本を強くする3つの提言!?【究極のアイデア!】』

 それから『【絶対やるな】お金の無駄遣いTOP3?』だね。これも6月に公開しだ動画で、再生回数はかなり多いです。一番のムダ遣いは「投資をしないこと」という、強いメッセージを込めたのでぜひ観てほしいですね。


『【絶対やるな】お金の無駄遣いTOP3?』

 3本目は、やっぱりいま時点で一番再生数の多い『初心者で投資の始め方!?』になるかな。やっぱりみんなに投資を始めてほしいから、これを観てほしいです。


『初心者で投資の始め方!?』

 ──あれはいいんですか。ダン飯食べたり、凍ったブロッコリーかじったりする……。

 ダン あれはエンタメね。日本のYoutuberはほとんどがエンタメ系でしょ。だから僕のことを知ってもらうためには、ああいうのも必要かなと思って作りました。まぁ興味のある人は観てくださいという感じかな。


『高橋ダンの「日常生活」』