(浜辺 隆二:元福岡工業大学教授、工学博士)

 2020年10月5日、民間シンクタンク「国家基本問題研究所」のサイトに「学術会議こそ学問の自由を守れ」というコラムが掲載された。筆者は北海道大学名誉教授の奈良林直氏である。

 2016年に、北大のある教授による流体力学の研究が、防衛省の安全保障技術研究推進制度に採択された。ところが学術会議に「軍事研究」と決めつけられ、事実上の圧力で辞退に追い込まれたということがコラムに記されている。

 この指摘に関連して、防衛大学の卒業生が大学院に行きたくとも東大をはじめ各大学は自衛隊関係者を断る時代が続いていた、という櫻井よしこ氏の指摘もある(10月14日、BSフジ「プライムニュース」)。大学が一時期自衛隊関係者を断っていた理由としては、1967年に日本学術会議が出した「軍事目的のための科学研究を行わない声明」との関連が取り沙汰されている。

大学院の受験を拒否された

 実は私も1968年に大学院受験を拒否された1人である。