リップル(XRP)は送金コストが安く、スピードも速い
ところで、なぜこんなにたくさんの仮想通貨が流通しているのでしょうか? これから仮想通貨を買うなら、どれを選べば良いのでしょうか?
仮想通貨は、まだ事例こそ少ないものの、日本円などの法定通貨と同じようにそのまま買い物にも使えます。また、仮想通貨ごとに開発された目的が異なり、その管理体制や背景とする技術も異なるため、それぞれの仮想通貨が「得意分野」を持っています。
たとえばリップル社が発行している「XRP」という仮想通貨は、「送金」に強みがあります。リアルな通貨で送金を行う場合、国内では銀行に1回あたり数百円の振込手数料を支払う必要があります。海外への送金はさらに多額の手数料がかかります。仮想通貨でも、ビットコインは他人の口座に送金する際に一定の手数料がかかりますが、XRPは送金手数料が無料、もしくは非常に安い手数料で送金できます。しかも、送金にかかる時間はわずか3秒程度。ビットコインでは送金に10分以上かかることもあり、このスピードもXRPの強みです。
実際に、アメリカからメキシコやフィリピンへの送金にXRPが使われる例が近年増えており、送金機能に特化したXRPの需要は今後さらに拡大するかもしれません。
イーサリアムを使った新しい保険を開発
イーサリアム(ETH)は、「スマートコントラクト機能」と呼ばれる独自の機能を備えています。これは、仮想通貨の中に「取引の契約内容」を記録できるというもので、イーサリアムのスマートコントラクト機能を使った生命保険や損害保険の開発が進められています。保険が適用される条件を満たすと、保険金受取人が手続きをしなくても自動で保険金を受け取れるようになり、保険会社は手続きにかかる人件費を削減できるため、利用者にとっては利便性の向上だけでなく、コストが下がるメリットも期待できます。
今後もそれぞれの仮想通貨の強みを生かして、ショッピングの決済がよりスムーズになったり、保険やローンなどの新しい金融商品が生まれたりと、私たちの生活を便利にしてくれるサービスが増えることが期待されます。仮想通貨の新たな使い道にも注目しながら、どれを買うかを選ぶのもいいかもしれませんね。
次回は、仮想通貨(暗号資産)の値動きとその要因について考えていきたいと思います。
大西さんのひとこと
仮想通貨(暗号資産)は、何らかの目的のもとに開発されます。XRPが送金機能に特化していて、実際にアメリカなどで外国への送金に使われ始めているのが典型で、今後は仮想通貨の「実用性」に注目が集まるかもしれません。
資産の一部をビットコインやXRPなどで持っておくと日常生活が便利になる、そんな日がもうすぐやって来るかもしれませんね。