株式会社ビズヒッツは2020年10月7日、「WEB会議の悩みに関する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2020年9月1日~15日で、全国の男女527人から回答を得た。これにより、WEB会議(オンライン会議)におけるビジネスパーソンの捉え方や課題などが明らかになった。なお、本調査は社会保険労務士事務所office roleの郡司果林氏の監修で考察を行っている。

「WEB会議派」と「対面会議派」はおよそ半々

 新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛を機に、WEB会議が急速に普及した今、ビジネスパーソンはWEB会議をどのように感じているのだろうか。はじめに、「WEB会議と対面会議ではどちらを好むか」を聞いた。すると、「対面会議」が52%、「WEB会議」が48%という結果に。僅差だが、対面会議を好む人が多かった。

メリットは対面会議派が「意思疎通のしやすさ」、WEB会議派は「移動がない」

 続いて、「対面会議がよい」と回答した276人にその理由を聞いた。その結果、最も回答が多かったのは「意思疎通しやすい」(174人)で、「WEB会議は不具合が生じる」(67人)、「発言や議論をしやすい」(47人)、「資料や現物の共有ができる」(11人)と続いた。

 1位となった「意思疎通しやすい」の回答者からは、「相手の表情や反応を伺いながら話を進められる」(50代男性/事務職)や、「決定事項がある場面や意見が割れた場面での熱量や雰囲気が、WEB会議では感じ取りにくい」(30代男性/品質管理)などの声があがった。対面の方が、表情や視線、声のトーン、しぐさから細かな反応を読み取れるため、相手の考えていることがわかりやすいと言えそうだ。

 一方、「WEB会議がよい」とした人にその理由を聞くと、1位の「移動しなくてよい」(134人)が群を抜く結果に。次いで「緊張やストレスが少ない」(34人)、「会議が長引かない」(23人)、「画面共有ができて便利」(13人)となった。

 1位の「移動しなくてよい」とした回答者からは、「移動時間が不要なので、時間が有効に使える」(50代男性/技術コンサルタント)や「地方や海外など遠方の相手とも、距離を気にせず打ち合わせができる」(40代女性/事務職)などの声が寄せられた。これまで会議のために長時間の移動や出張に時間を割いていた人も多く、WEB会議の恩恵は大きいようだ。

8割以上がWEB会議に「困ることがある」。最も多いのは「音声や映像の不具合」

 次に、「WEB会議をするうえで困っていることがあるか」と聞いたところ、「ある」が全体の85%(448人)にのぼった。「対面よりもWEB会議のほうがよい」と答えた人の中にも、WEB会議に対して何らかの不満や問題を持つ人が多いことがわかる。

 また、「WEB会議のどのような点に困っているのか」を尋ねた。その結果、1位は「音声や映像の不具合」(234人)と、他を引き離す結果に。次いで、「話すタイミングが難しい」(76人)、「反応がわかりづらい/伝わりにくい」(68人)となった。

「音声や映像の不具合」をあげた多くの人は、「音声が途切れる、遅れる、聞こえない」や「通信が途切れる」といった経験をしており、スムーズに会議が進行しないことに戸惑いを覚えているようだ。また、「話すタイミングがわからない」と感じている人は、「話の間合いを図りにくい」や、「発言タイミングが被ると聞こえない」、「聞こえなかったときにも聞き直しづらい」などと感じており、相手に気を使い、活発な議論が展開しづらい様子がうかがえる。

 WEB会議には従来の対面会議では無かった課題もあるものの、好感を持って受け入れているビジネスパーソンも増えている。映像や音声といった通信環境の改善策だけでなく、WEB会議ならではのコミュニケーション方法を模索することが、ますます重要になりそうだ。

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HRプロ編集部

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