パーソルグループの株式会社ライボは2020年8月、「転職理由・退職理由に関するアンケート」および「転職先を選んだ理由に関するアンケート」の結果を発表した。調査期間は2020年8月19~24日で、同社が運営する匿名相談サービス「JobQ」の20~60代の会員834名から回答を得た。これにより、転職のリアルな意識が明らかになった。

4割以上が「上司や経営者との相性」を転職・退職の理由と回答

 人材の流動化が進む中、ビジネスパーソンはどのような理由で転職を決意しているのだろうか。まず、「退職および転職を考えた理由」について聞いてみると、1位は「上司や経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」で41%、2位は「キャリアアップしたかった」で34%だった。また、「給与が低かった」、「仕事内容が面白くなかった」「労働時間・環境が不満だった」といった、就業条件や仕事環境を要因に挙げた回答が、それぞれ3割弱で続いた。

4割以上が「自分の成長」を基準に転職先を選ぶ

 続いて、退職後に転職先を選んだ理由を聞くと、「自分が成長できる環境だと感じた」、「経験やスキルが活かせる仕事だと感じた」が同率の44%で最多、次に「前職より給与が上がったから」が42%で続いた。一方、「希望の勤務地/業界」や「安定した休みが取得可能」などの環境にまつわる理由はそれぞれ2割程度にとどまっており、多くの人は「自身のキャリアアップ」や「給与アップ」を理由として、新しい道に進んでいるようだ。

「転職で満足度アップ」は7割以上、しかし、うち2割弱は人間関係に悩む

 最後に、転職先企業での現在の満足度を尋ねた。すると、71%が「満足度が高くなった」と回答。その理由として最も多かったのは、「前職より給与が上がったから」で53.9%、次いで「自分が成長できる環境だと感じたから」が43.1%、「経験・スキルが活かせる仕事だと感じたから」が36%となった。

 一方、10%の回答者は「満足度が下がった」を選択。その理由として、「報酬が下がった」(23.7%)、「仕事の進め方が合わない」(22.8%)、「職場の人間関係が合わない」(19.8%)などの声が寄せられた。

 上記により、人間関係やキャリアアップ、職場環境の改善を求め、転職を決意するビジネスパーソンが多いことが判明した。人材不足に悩む企業では、社員のスキルアップの実施や職場環境の見直しを検討してみてはいかがだろうか。

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HRプロ編集部

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