株式会社ダイブは2020年8月6日、「ダイバーシティ&インクルージョン推進に関する意識調査」の結果を発表した。この調査は、株式会社エイムソウル、株式会社グローバルトラストネットワークス、コネクティー株式会社との共同で行われたもので、調査期間は2020年6月25日~7月10日。日本での在留・就労経験のある外国籍人材、全34ヵ国・223名から回答を得た。これにより、ダイバーシティ&インクルージョンに関する企業の意識と実態が明らかになった。

約6割が日本の職場に順応できている

 多様な人材の活躍に向けた取り組みが本格化するなか、外国籍人材が就労する職場において、ダイバーシティ&インクルージョンへの意識はどのように変化しているのだろうか。まず、日本に在留または就労経験のある外国籍人材に、「職場での待遇の公平性」について聞いた。その結果、「公平で、配慮がある」と回答した人は全体の58%で、外国籍人材の約6割は、日本の職場に公平性を感じていることが判明した。一方で、「公平さと配慮のどちらも欠ける」との回答が11%あり、改善が必要な企業も一定数あることが明らかになった。

職場に愛着を感じ、主体的に働けている人は7割以上

 次に、「就労環境への愛着意識」を複数選択で問うと、「職場のことが好きだ」が74%、「主体的に働いている」が72%となった。ただし、「仲間外れにされている」と感じている回答も40%あることから、職場に愛着はあるものの、周囲との距離や疎外感を感じているケースもあることが予想される。

上司の国籍がマネジメントへの満足度に影響、エンゲージメント向上に有効な取り組みは

 また、職場における上司のマネジメントスタイルに関して、「上司の満足度と指導上の取り組み」を聞いた。すると、上司が「同じ国籍の外国人」である場合の満足度は61%であるのに対し、「違う国籍の外国人」上司では52%に下がる。そして、「日本人」上司では35%という結果だった。同じ国籍または同じ外国籍という共同意識が、上司のマネジメントに対する満足度に好影響を与えていることが示唆される結果となった。

また、「外国籍人材をマネジメントする際に有効な取り組み」を聞くと、愛着が湧くのに効果的なのは「宗教や生活習慣などのワークライフバランスに配慮する」、仲間意識を育むには「気軽に関わり、頼れるようにする」、貢献意欲を高めるには「食事や飲み会などの場に誘う」など、インフォーマルな関わりが有効であるという回答が得られた。

日本の会社のよい部分は「挨拶」、「掃除」、「時間への意識」。逆に違和感を持つこととは

 さらに、日本企業での働き方や、組織文化に対する認識に関しても調査を実施。「日本企業のよい部分」を聞くと、高評価を得たのは、「挨拶」や「掃除」「時間管理」という、日本人の基本的な動作や規律が挙がった。

 一方、「日本社会の異質な部分」に対しては、「ハッキリものを言わない」、「無駄が多い」などがあがった。このような日本独自の体質や組織文化に対して、違和感を強く抱いているようだ。

 労働力不足だけでなく、グローバルでの競争力を高めるため、企業にもさまざまなバックボーンを持つ人材の登用が求められている。企業は、国籍や性別に関わらず働きやすい環境づくりに必要な対策を考え、同質的な場から多様性のある場へと転換させていくことが、より一層求められそうだ。

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HRプロ編集部

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