「従業員満足度」が向上することによる企業へのメリットは?

 従業員満足度が向上することで、従業員自身だけでなく、会社へもメリットがある。大きく分けて3つ紹介したい。

【1】生産性が向上する
 従業員満足度が高い従業員はモチベーションが高く、主体的に業務に取り組む傾向にある。その結果、仕事のパフォーマンスが上がりやすく、生産性も向上するという好循環を生み出すことができる。また、高い意欲を持った従業員が増えることで、組織内のコミュニケーションも活性化する。新規事業の提案や企業課題の解決などが積極的に行われ、企業の業績向上にもつながる。

【2】優秀な人材が定着する
 従業員満足度が高い職場では、働き続けたいと思える環境が整っているため、優秀な人材の定着が期待できる。パフォーマンスの高い従業員が居続けることで、企業の評価は上がり、採用活動にも好影響をもたらす。優秀な従業員からのリファラル採用も増え、人材確保に対するコストが最小限に抑えられるメリットも生まれる。

【3】顧客満足度が向上する
 従業員満足度の高い従業員は、自社への帰属意識が高く、商品やサービスをより深く理解しようとする。商品やサービスの質が向上することで、顧客満足度も高まる可能性が高い。

 労働力人口の減少に伴い、今後、人手不足や生産性といった課題がより重要視されるのは想像に難くない。従業員満足度が高い職場では、生産性の向上や優秀な人材の定着といったメリットが生まれる。従業員満足度を向上させるうえで、企業ビジョンへの共感やマネジメントへの納得感がカギとなる。今一度、自社の組織風土や組織文化を見直し、必要に応じた人事施策を講じてみてはいかがだろうか。

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HRプロ編集部

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