必要な情報をつなげるためにマイナンバーを
必要な情報をつなげるためには何が必要か。名簿や自治体をまたいだ情報連携を達成するために、それらを紐付ける鍵が必要だ。その鍵になりうるのは、一元的な番号、例えばマイナンバーのようなものだ。
仕組みとしてはマイナンバーカードやマイナポータルに、事前に必要な情報を紐付けておくことによって、災害時のリスク算定や必要な支援につなげることができる。
新型コロナにおけるコンタクトトレーシング(接触確認)では、個人情報保護やプライバシー保護への配慮から、捕捉(?)期間が限定され、感染者との接触場所が捕捉できないような手法が採用されている。
しかし、個人の保護や社会の安全のために本当に必要なものならば、勇気をもって、個人情報を使うことを前提とした議論をすべきではないか。その際に、本来の公益的な利用目的とは異なる、本人保護や社会安全とは距離のある目的外利用の議論を混ぜ込むことは避けるべきだ。
このような仕組みは、個人情報・プライバシー保護の観点から、一定程度の本人関与が求められる可能性もある。ただ、この本人関与については、本人が望む、望まないにかかわらず連結することを前提とする必要がある。
なぜならば、個人の生命・身体・財産の保護のためであることは明らかであるし、個人情報への配慮が情報の抜け漏れを生じさせ、結果として支援の足かせになる可能性があるからだ。
その上で、不要な連結が行われていないか、目的外の利用が行われていないか、といったところを本人が監視できる仕組みのようなものを備えるのがいいと思う。
他方で、本人関与を強めることで、本人が望む情報を、あらかじめ準備しておくことも可能となる。多様な情報を連結できることで、本人がより積極的に自らの防災を行うことができるようにもなるはずだ。