ハウスメーカー大手の大和ハウス工業株式会社は2020年6月、従業員への出産・育児支援の拠出費用が100億円に達したことを発表。従業員に対して実施している子育て支援制度の利用者も1万人を突破したという。同社は今後も様々な子育て支援策を講じ、多様な人材が活躍できる職場風土を作っていくとしている。

子育て支援制度の充実を図り、多様な人材活躍と持続可能な企業経営の強化を目指す

 大和ハウスは少子化問題が加速するなか、ベビーシッター代を補助する「ベビーシッター利用補助」や保育園入園前の保活をサポートする「保活コンシェルジュ」など、かねてより企業独自の少子化対策や育児支援に向けた様々な取り組みを実施してきた。

 2005年4月には出産費用や養育費の補助を目的とした人事制度「次世代育成一時金」を導入。従業員に子どもが生まれた際には、子ども1人につき100万円の支給を実施してきた。同制度は導入以来、年間600人あまりの従業員に利用されており、2020年5月には同社従業員の出生数は1万人を突破したという。

 また、同制度は離職防止策としても効果があるようだ。厚生労働省による「雇用動向調査結果」では、日本における年間の離職率は約15%とされている。しかし、「次世代育成一時金」を利用した従業員の離職率は約1%と、日本の平均的な離職率と比べて低水準となっている。同社は、今後も様々な子育て支援策を講じることで、多様な人材が活躍できる職場環境を構築し、持続可能な企業経営の強化を目指していく。

 従業員の働きやすさを整備することで、離職率の低下やエンゲージメント向上につなげることができる。持続的な企業の発展を促すために、長期的な目線で企業と従業員双方にメリットがある少子化対策や育児支援などの制度の導入を検討してみてはいかがだろうか。

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HRプロ編集部

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