いまや監視カメラは世界中の街や通りに設置されているが、その画像を簡単に扱えるわけではない

 米国時間の4月10日、米国のグーグルとアップルは共同で新型コロナウイルスの感染追跡技術を開発する旨の発表を行いました(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57955250R10C20A4I00000/)。

 本稿はその直後に書いています。

 前日の4月10日、私たちは世界トップ大学のAI倫理関係者が連携して進める「Global AI Ethics Consortium」の遠隔ネットワーク会議で5時間にわたって、まさにこのような問題を議論していました。関連の問題を解説します。

 新型コロナウイルス感染というデリケートな焦点以前にグーグルはすでに世界の「モビリティ・リポート」を出しています。

https://www.google.com/covid19/mobility/

 日本についても、全国平均として、このリンク(https://www.gstatic.com/covid19/mobility/2020-04-05_JP_Mobility_Report_en.pdf)のような分析結果がすでに出されており、

リテールやリクリエーションで 25%の減
駅の乗り換えについては    43%の減

 といった統計的な数字で、実証的に示されている。

 同様の分析結果がアルゼンチンからジンバブエまで、世界の国ごとにまとめられており、この目の子を細かく、また属性を厳密にしていくことで、様々な事柄、例えば新型コロナ陽性者がどこからどこに移動して、どの店にどの程度滞在したといった詳細も、データの正確性の範囲で示すことができるようになる。

 そういう方向に物事が動いているわけですが・・・。実際には何が起き、また何が問題であるのか、私たちは何を考えるべきなのか、分かりやすくまとめてみたいと思いますが、これらは皆、近未来のコロナ対策です。

 編集部からリクエストもあり、もう一つ、現在進行形のコロナによる破壊、教育破壊に触れたいと思います。