新卒入社した若手が早期離職すると、「最近の若者は根性がないから、すぐに会社を辞める」と嘆いたり、「ゆとり教育が若者を甘やかしたからだ」などと結論付けてしまっていたりする声がある。果たして「最近の若者」に原因があるのだろうか?若者の早期退職原因をデータと照らし合わせながら解説し、効果的な対処方法をお教えする。

あなたは、部下をよく褒めますか?

 退職者に辞めた理由を尋ねると、「自分の成長が感じられない」とか「評価が平等でない」、「やりがいが感じられない」などと返事が返ってくる。(出典:エン・ジャパン「退職のきっかけ」2019年)

 しかし、じっくりと彼らの話を聞いてみると、表向きの理由の背後に隠れた本音が伝わってくる。「自分では精一杯やっているつもりなのに誰も評価してくれない」とか、「せっかくいろいろな提案をしても相手にしてもらえない」と言ったことに真剣に悩み、それが自分と会社との距離を遠ざけてしまっているのだ。「自分は何をやってもダメだ」と投げやりな言葉を口にする者もいる。周囲から認めてもらえなかったので会社を辞めたと答えることは、自分の弱さ、みじめさをさらすことになる。だからアンケートには表向きの理由しか書かないのである。要するに、彼らは他人からの承認が得られず自分自身の存在意義も見い出せないので、孤独感、無力感に苛まれ、やがてドロップアウトしていくのである。

上司が褒めることにより部下の離職は果たして減るのか?

 仕事をしている20~40代の会社員男女100人に対し「仕事の成果を誰に褒められると一番嬉しいか?」の調査結果では、1位:上司40%、2位:お客様23%、3位:同僚11%と、自分の身の回りにいる人から褒められるのが一番うれしいと言っている。

 仕事を良く分かってくれている存在に褒められるからこそ、自分が認められた、成長できたと感じることで承認欲求の高まりを実感できるのである。このように、上司や会社に関係する存在から褒められ、認められることが重要だということが読みとれる。(出典:マックスプロデュース)