21日のロンドン市場でドルは一段安となった。米ドルの総合的な価値を示すドルインデックスは2008年8月以来32ヶ月ぶりとなる73ドル台まで下落している。一昨日のインテルに続き昨日(本日東京早朝)のアップル決算は好調だったことから株式相場が堅調に推移しており、またNY金先物は本日も最高値を更新、NY原油先物も高値圏で推移している中、高金利通貨などのリスク資産に資金が流れている。来週26,27日に開催される米FOMCでは量的緩和策の変更はないと見られておりドルは売られやすかった。米10年物国債利回りは低下している。
ユーロドルは2009年12月以来16ヶ月ぶりの高値となる1.4649近辺、ポンドドルも16ヶ月ぶりの1.6569近辺、ドルカナダは2007年11月以来41ヶ月ぶりとなる0.9457近辺、ドルスイスは過去最安値となる0.8809近辺までそれぞれドル安が進んだ。
ドル円はドル売りの流れで弱含んだが東京時間の安値81.86近辺に一時並んだ後は下げ渋っている。82.00にオプションの設定があるようだ。
トリシェECB総裁は仏ラジオBFMに対して「一連の利上げについては決めていない」、「強いドルは国際社会すべての利益」などと話していることが伝わり、ユーロドルは値を落とす場面があった。イースター休暇を前に、最近のドル安に関してけん制するようなコメントがなされる可能性がある。また、商品高を受けて各国から米国の量的緩和策に再び非難が出ることもあり得るので注意したい。
◆英小売売上高でポンド急騰
英3月の小売売上高は前月比予想0.5%減のところ0.2%増、前年比予想1.0%増のところ1.3%増とともに強い数字となりポンドは一時急騰した。ポンドドルは1.6490台から1.6520台に上昇し、その後1.65台後半に上値を伸ばしている。またポンド円は135.30台から135円台後半に上げ幅を拡大している。
Klugアナリスト 鈴木信秀