(写真はイメージです)

(後藤 健生:サッカージャーナリスト)

 開催まであと4カ月を切った東京オリンピック・パラリンピック。ギリシャで採火された聖火も日本に到着。3月26日には福島からトーチリレーも始まる。

 一方で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はヨーロッパ諸国に広がり、WHO(世界保健機構)もついに「パンデミック」を宣言。このような状況下で2020東京大会を予定通り開催することは本当に可能なのだろうか?

2カ月前の決定では遅すぎる

 日本政府や日本の組織委員会は「予定通り開催」の姿勢を崩さず、またIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長は明言を避け、言葉を濁し続けている。3月16日のG7主脳によるテレビ会議では「完全な形での開催」を決めたようだが、開催時期については何も語られなかった。

 政府や組織委員会は正式に延期または中止を決定する直前までは開催準備を進めなければならない立場なのだから、「予定通り開催」と言うのは当然のことだろう。

 これまでのところ、明確に「延期」論を展開したのはアメリカのドナルド・トランプ大統領くらいだが、まあ、この人の場合はいつものように単なる思いつきによる放言でしかない・・・。

 しかし、これだけの大規模な大会なのだ。延期するにしても、中止するにしても、影響はきわめて大きい。一般的には「決定の目途は5月いっぱい」と言われ、バッハ会長は「4カ月前ではまだ決定できない」と言うが、直前になってからの決定では遅すぎるのではないか・・・。

IOCはなぜ夏場に開催したいのか

 選択肢は4つある。