お金、どんげね? 宮崎発マネー相談室【第8回】

 宮崎県延岡市で保険業や資産運用のアドバイスに携わる小田初光さんが、地方で暮らす生活者のリアルな視点で、お金に関するさまざまな疑問に答えます。今回は、投資信託を選んだあとの投資との向き合い方をテーマに、積立投資を続けるためのポイントについて考えます。

積立投資が苦手な人でも続けられる考え方

 前回は、初めての資産運用で「投資信託」を選ぶ手順として、自身のリスク度合いを「レーティング」とマッチングさせながら選んでいく方法を話してきました。
 リスク度合い、つまり「ここまで損してもあきらめられる範囲」に、実際の投資信託が過去にどんな値動きをしたかを示すレーティング(リスクレベル)をマッチングさせることで、増えても減っても「自己責任」という気持ちを持って投資に向き合うことができます。この「自己責任」を理解したうえで、その次の「売る」「買い足す(増やす)」、あるいは決算次第ですが「分配金の配分」などをやっていくのです。この流れを理解しましょう。それができれば、あなたも立派な個人投資家の仲間入りです。

 それでは次のステップとして、一生懸命選んで、意を決して購入した投資信託とどう付き合っていけばいいのか? 投資信託をどう活用すればいいのか? その考え方を提案していきます。

【質問】
 投資信託で積立を昨年から始めています。始めたのはいいのですが、口座から毎月引き落とされるのを眺めるだけでは不安があります。貯まったら少しくらいは使いたいのですが、お金を増やすためには、使いたいのを我慢するしかないのでしょうか?

 このような質問をされる方は男性に多いようです。私を含めて、男性はあまり「積立」が好きではないのかもしれません。嫌いというより、貯まったらつい使ってしまう。これではお金は全然増えていきませんし、貯まる分より使う分の方が多ければ、減っていくしかありません。せっかく投資信託を始めたのに、お金が増えたそばから使っていては、積立投資は意味をなさないことになります。

 投資信託は預金ではありません。長い目で見れば預貯金の利息よりお金が増えることが期待できる、将来の安心のためにお金を貯める手段です。もちろん投資にはリスク(価格変動)があり、大切なお金が減るかもしれないのは心配ですが、少しでも気持ちが楽になれるように、メンタルの面から「楽しめる積立法」を提案したいと思います。

① 「積立投資は時間が必要」と暗示をかける

 マイナス金利の時代に、銀行預金だけではお金は増えません。かといって投資信託の積立でも、増えていくお金は1年で平均数%くらいです。資産を大きく増やすには、ある程度の期間が必要なのです。
そこで、投資信託を買い始めたらある程度の期間(少なくとも5年間)預けるんだと、自身に暗示をかけてください。

積立投資投資には時間が必要だと信じること、思い込むことが大切
② 積立投資でお金が増えたら、一度売ってみる

 暗示にかかったら、投資信託を購入した日から1年以内に、購入した時の価格よりも少しでも増えることがあったら、一度売ってみましょう。
投資信託を売って少額でも利益を確定すると、その経験が「投資でお金を増やせた」といういいイメージとして心に残ります。結果、投資を長く続けられます。
 逆に安くなった場合は、絶対に売ってはいけません。投資信託を売って損を確定することによって心のダメージが強くなり、「投資は悪だ」という暗示がかかってしまうため、長続きできません。
 状況によっては売ることも大事。売りすぎ・使いすぎは良くありませんが、決して我慢は必要ありません。