為替、金利、政治——株価を動かすさまざまな要因
さらに、株価を動かす要因はほかにもあります。世の中の景気動向や為替レートの変動や業界の先行きなどあらゆる要素が変動要因となります。
A社が米国に輸出の多い自動車メーカーだと仮定します。当然ドル円の為替レートはA社の業績を左右します。
また、米国の金利が下がるというニュースが流れたとすると、投資家によっては「自動車ローンの金利が下がって米国の消費者が自動車を買いやすくなるかもしれない」と考える人もいるでしょう。金利も株価に影響する大きな要因のひとつです。
政治的なニュースも大切な要因です。例えば「日米貿易協定の話がまとまって自動車に対する関税は回避されそうだ」というニュースが流れたとすると、自動車の関税はA社から見ると米国の消費者のコストアップになるわけですから、その不安がなくなるということになります。すると、A社の売上にプラスになりそうだという連想が働きます。
さらに、株式市場全体の雰囲気も相場を左右する重要な材料です。リーマンショックのような市場全体が不安感に襲われている時は、優良株であろうがボロ株であろうが関係なく、とにかく売りが売りを呼ぶ展開になります。逆にいわゆるバブルの状況になると、ほとんどの市場参加者が先行き値上がりすると思い、とにかく値上がりする前に少しでも早く買い注文を入れようという状況になります。
さまざまな要因が絡み合い、株価が作られる
よく市場心理という単語が使われますが、市場は人間同士が作っている以上、市場の参加者の心理が強気なのか弱気なのかという雰囲気は株価に大きな影響を与えます。
理想を言えば、株式市場が弱気の時に買いを入れて、強気一辺倒になっているときにそっと売って手じまうということができれば最高です。ただし、なかなかそれをさせてくれないのが株式市場の難しさでもあり、面白さでもあります。
「高い」「安い」のバランスが一致するところで値段が付く
いかがでしょうか?
株価の変動する要因についていくつか紹介してきました。いろんな要因が絡み合って値段が作られているということがお分かりいただけたと思います。
ポイントは「株価は高いと思う人と安いと思う人のバランスがちょうど一致するところで値段が付く」ということです。どんな値段であっても、必ず株価が高いと思う人もいれば安いと思う人もいます。面白いですよね。