日本の寄付には伸びしろがある

 コモンズ投信では、運用するコモンズ30ファンド(公募投資信託)から生じる収入(信託報酬)の約1%を有能な社会起業家に寄付する「コモンズSEEDCap(社会起業家応援プログラム)」を、10年前のファンド設定来から実施しています。

 毎年10月には社会起業家という精鋭が集まって登壇するスピーチ・リレーのイベントである「コモンズ社会起業家フォーラム」も開催。これらは売上ゼロのファンド設定時から設けているプログラムであり、コモンズの設立理念の一環です。寄付はコモンズ投信の社会貢献やCSR(企業社会責任)という次元に留まらない、「本業」の一つなのです。

 コモンズ投信の存在意義は、「一人ひとりの未来を信じる力を合わせて、次の時代を共に拓く」と明記しています。日本全国の世帯に「お金の使い方」を提案し、持続可能な世の中を支える長期的な新しい流れのお金を経済社会の隅々まで循環させるために、会社を興したからです。

 コモンズ投信がファンド運営を開始した2009年から5年後に、ザ・2020ビジョンというファンドも設定しました。こちらも同様に「コモンズPOINT」という寄付プログラムで障害者スポーツの団体を応援しています。

 寄付には、人と人をつなげるWEの力があります。しかし、日本の寄付総額は名目GDP(国内総生産)の0.1%程度。英国では同比0.5%、米国では同比1.4%です。ということは、まだまだ伸びしろがある「お金の使い方」といえそうです。

参考文献:「寄付をしてみよう、と思ったら読む本」(共著:鵜尾雅隆、渋澤健)
参考活動:寄付月間Giving December