面接にAIを導入することについては、「賛成」は文系19%、理系21%、「反対」は文系32%、理系36%と、エントリーシート選考に比べて「反対」の比率が上昇。「採用基準に一貫性が出る」「人の気づかなかった点をAIに指摘してもらえるのは採用側にとってもいいはず」と理解を示す学生はいるものの、「面接官の受けた印象が重視されるべき」「一緒に働きたい人をAIの判定で決めるなど理解できない」「こういうことを考えている企業ほど人材を大切にしていないのではないか」と、拒否反応が大きくなるのだ。

■面接へのAI導入の賛否

HRプロ

(出典:ProFuture株式会社/HR総研)

 前述の通り、各企業とも選考過程のすべてをAIに任せるのではなく、あくまで対面でのコミュニケーションを重視するとの姿勢を打ち出している。だが就活生にとって、たとえ採用フェーズの一部分(エントリーシート選考、面接)であっても、「人間以外に評価される」ことへの抵抗感は、想像以上に強いようだ。採用業務にAIを導入している事実を公表していない企業が多いのも、そんな就活生の感情を考慮してのことだろう。

 実は、エントリーシート選考へのAI導入について「どちらともいえない」としたのが文系54%、理系50%、AI面接について「どちらともいえない」としたのは文系48%、理系48%と、いずれも最多勢力になっている。AI判定を経て入社した人たちが、本当にその企業でイキイキと働いていけるのか、まだ結果は出ていないのだから無理もない。

 新卒採用にAIを導入した企業にとっては、「AI判定を経て入社した人たちは、ハッピーに働き、業績もあげています」という証拠・実績を積み上げていくことが、今後の課題となりそうである。

【参考】HR総研×就活会議:2020年新卒学生の就職意識調査