■面接へのAI導入の賛否
前述の通り、各企業とも選考過程のすべてをAIに任せるのではなく、あくまで対面でのコミュニケーションを重視するとの姿勢を打ち出している。だが就活生にとって、たとえ採用フェーズの一部分(エントリーシート選考、面接)であっても、「人間以外に評価される」ことへの抵抗感は、想像以上に強いようだ。採用業務にAIを導入している事実を公表していない企業が多いのも、そんな就活生の感情を考慮してのことだろう。
実は、エントリーシート選考へのAI導入について「どちらともいえない」としたのが文系54%、理系50%、AI面接について「どちらともいえない」としたのは文系48%、理系48%と、いずれも最多勢力になっている。AI判定を経て入社した人たちが、本当にその企業でイキイキと働いていけるのか、まだ結果は出ていないのだから無理もない。
新卒採用にAIを導入した企業にとっては、「AI判定を経て入社した人たちは、ハッピーに働き、業績もあげています」という証拠・実績を積み上げていくことが、今後の課題となりそうである。
【参考】HR総研×就活会議:2020年新卒学生の就職意識調査