IFA(Independent Financial Adviser)とは、特定の金融機関に属さない金融アドバイザーのこと。本連載では、資産運用のプロとして活躍するIFAの情報や、IFAの活用法についてお伝えします。
独立系の資産アドバイザーであるIFA(Independent Financial Adviser)。いったいどこの誰なのか? 馴染みがない分、ベールに包まれた印象がぬぐえません。報酬がいくらくらい必要なのかを知っておかないと怖くて迂闊に連絡もできません。IFAとは金融業界でどんな存在なのか、調べてみました。
パーソナルな感じで付き合える方が自分には向いている
――資産運用について興味を持たれた理由を聞かせてください。
Aさん 出産するまで仕事一筋で暮らしてきました。資産運用のことも趣味も、じっくり取り組むような状況じゃなかったと思います。収入で得た、まとまったお金はありましたが、そのお金を増やそうという発想は乏しかったです。
契機となったのは、育児休暇でぽっかり時間が生まれたことです。生まれた子どもが20歳になる頃には、私も60歳を迎えます。自然と老後のことを想像したとき、お金について何も考えていないのはまずいなと思いました。いったい、お金って何なんだろう? お金と経済の仕組みについて関心を寄せるとともに、今あるお金をもっと増やせるのではないかと考えるようになりました。
――ちなみに家計は、どのようにやり繰りをされていますか。
Aさん 自営業の主人の収入を生活費として充てています。今のところ、住居費が不要という環境でもあり、私の貯蓄は余裕資金として資産運用に回せるなと思ったところでもあります。
主人は主人で資産運用をしているようですが、お互いの運用方針で意見が合わなくなるのは嫌なので(笑)、あえて話題にはしないようにしています。ただ、私が資産運用を始めたことは、家に届く郵便物の内容で、何となく分かっているみたいです。
――IFAのサービスを利用することになったのは、どんな経緯からですか。
Aさん フリーペーパーにお金のことを勉強するセミナーの案内が載っていて、それがファイナンシャルスタンダードさんの主催だったのがきっかけです。セミナーに参加して初めて、運用の世界についてじっくり話が聞けました。世界経済の動きや長期で投資するメリット、分散投資で将来的にリターンを高める考え方なんかに共感しました。
――証券会社や銀行に口座を開いて、自分でやろうとは思いませんでしたか。
Aさん 金融機関の店頭に足を運ぶと、勧められた提案を断れないのではないかと危惧したこともありますし、性格的にも能力的にも、自力では多分うまくいかないだろうなと思ったので、選択肢から外しました。そもそも忙しい子育ての合間を縫って、こまめに運用状況をチェックするのは無理だろうなと感じています。もっとパーソナルな感じで付き合えるアドバイザーの方が自分には向いているんだろうなと思います。
――セミナーに参加したあと、どのような手順で相談が進んだのですか。
Aさん 個別に2回、ファイナンシャルスタンダードさんに足を運びました。私のリクエストは、数百万円の余裕資金を中長期で運用しながらも、毎月5万円ほどのインカム収入を得たいといったものでした。ライフプランや運用戦略について、ボードを使って説明してもらいました。結構かみ砕いて説明してもらいましたが、ポートフォリオについては、考えるべき要素や組み合わせる商品パターンが多く、これは自分一人では無理だなと思いました。
提案を受けて、数カ月前から5本の投資信託で運用しています。国内外の株式と債券を投資対象にした、ニッチな投資信託が多いのですが、恥ずかしながら、自分では商品の中身までうまく説明できません(笑)。
IFAはコストが掛かることは説明を受けてもちろん承知しています。自分にとっては価値があると信じているわけで、あとはこれからの結果に期待するだけです。
――運用によって、将来叶えたいことはありますか。
Aさん 着物が趣味なので、師範の免許を取るのと英語力を身に付けて、外国の方に着物を着てもらえる仕事をしたなと思っています。できれば10年後に自分の会社を興すような心づもりで、運用で得た収益をその開業資金に充てられるといいですね。