金融庁が発表した『95歳まで生きるには2,000万円程度の蓄えが必要』との報告書が問題視されたことは記憶に新しいが、一方で生活を安定的かつより充実したものにするためには、定年退職後にも一定の就業が必要との見方は変わらないだろう。年功型賃金制度や終身雇用といったメンバーシップ型の日本雇用が崩れ去るなか、ビジネスマンにとって定期的なキャリアプランニングやスキルの学び直しは、必要不可欠な状況である。
ミドル層・シニア層のいわゆる中高年を対象としたキャリア再設計を促す専門学校が10月に開講する。多摩大学大学院教授 徳岡 晃一郎氏らが設立に関わるライフシフト大学だ。人生100年・仕事人生80年を見据えた中高年の学び直しの場を提供するほか、転職先とのマッチングも行う。
主な提供内容は、自分の市場価値や強み、進む道を模索する「基礎コース」を5日間経た後に「教養コース」及び「専門プロフェッショナルコース」を、5カ月間受講する。勤務を継続しながら学べるように、講座は基本的にはオンラインでの受講および、夜間と週末の開催となる。「教養コース」ではこれまでの仕事経験の言語化、学び直しへのきっかけづくり、進みたい道筋を発見するためのコーチングセッションをはじめ、オンライン学習やその他のe-ラーニングを豊富に提供する。「専門プロフェッショナルコース」は、著名プロフェッショナル講師陣によるミニMBA講座や資格取得支援を提供するとともに、フィールドワークとして、中小企業での転職トライアルのインターンシップ、会社見学会、ライフシフト実践者の講演会などが体験できる。
特に「専門プロフェッショナルコース」では3つカテゴリに分類し、進みたい道に応じた実践力の高いカリキュラムを用意している。
1.知の再武装分野
現在勤務している組織で長く、バリバリと活躍するために、他流試合を含めてダイナミックにスキルをアップデートして、定年まで活躍するための科目群
例:マーケティング、ヒューマンリソース、イノベーション、コーチング 等
2.市場価値アップ分野
定年を待たずに社外転身に挑戦し、80歳現役を目指して活躍するために必要な、社外で通じる競争力を磨く科目群
例:アカウンティング、クリティカルシンキング、デジタルイノベーション、対人関係力 等
3.ライフデザイン分野
100年人生を見据えて、仕事だけではない、安心の人生設計をデザインする科目群
例:イノベーターシップ、リーダーシップコミュニケーション、ストレスコーピング 等
代表を務める株式会社ライフシフトCEO 徳岡 晃一郎氏は開校にあたり以下のようなコメントを寄せている。
「人生100年時代を迎えるこの時代には、人とつながりあい、努力しあい、喜びを創造しあうことで、誰もが生き甲斐をもって、心豊かに暮らせる社会を維持し続けられるよう、一人ひとりが思いを込めて自身の人生を創ることが求められます。
ライフシフト大学ではそのために、65歳までのキャリアを考えるだけではなく、80歳現役時代に生きがいを持って挑戦するための『変身資産*』を築くお手伝いをします。」
*自分が変わろうとするきっかけや原動力となる、自分自身の資質や人脈などのこと
■ライフシフト大学 オフィシャルHP
https://lifeshift-univ.com/