そして、カーブとストレートのフォームが変わらないのはなぜか。工藤さんといえば、カーブが代名詞だけど、あれだけ緩いボールなのに、腕の振りが緩むことがない。
聞きたかったことはたくさんあった。気になることがあれば、なんだって聞いた。
知りたいことは、誰にでも聞く
他にも、桑田(真澄)さんなど先輩ピッチャーから話を聞かせてもらったし、カブス時代にはダルビッシュ有にも教えを請うた。
ダルのカットボールは僕のカットボールに比べて質が高く、メジャーのバッターですら打ちあぐねている印象だった。その秘密を少しでも知りたい、と思い握り方や、リリースのときの感覚、そして外から見たフォーム・・・と、ダルを知ろうと努めた。
そうやって、人を見る、知ると、必ず自分と比較するようになる。
すると、自分と違うところ、同じところ・・・さまざまなものが見えてくる。教えてもらったことが身になったことはもちろんのこと、「自分を知る」ための大きなヒントになった。
(「OVER」上原浩治・著より再構成)