最初にマルタを訪れたのは、20年前のことです。明け方に、猫に餌やりをしている老婦人と出会いました。それが彼女の日課だというのは、猫たちの様子からもわかります。「いつ頃から、猫の世話をしているのですか?」と尋ねると、老婦人は、「そうねぇ、お母さんのお腹の中にいるときから」。
え?! どういうことですか?
聞けば、お母さんも、おばあちゃんも、そのまたお母さんも、ずっと、この地に暮らして、猫の世話を続けてきたとのことでした。のら猫の面倒を見ることは、自分の家系の“さだめ”だからと、語ったのです。人が心身ともに健康に暮らしていくために、猫は必要不可欠な動物である、ことに小さな島ではなおさらだ、と。
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三毛猫のことを「マドンナ」と呼ぶことは、このとき教えてもらいました。コーヒーにミルクを混ぜたような毛並みですが、この猫も三毛ですね。
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路地で暮らす地域猫でもとても毛並みがよく、きれいです。左の猫に会った5年後、再びこの路地を訪れると、同じ猫が現れて挨拶してくれました。このように同じ猫に再会できることもよくあります。元気で暮らしている姿を見ると感動をおぼえます。
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マルタでは、猫のために釣りをしている人をよく見かけます。
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