プロ野球もシーズン後半戦が始まった。
セ・リーグはジャイアンツが2位以下を大きく引き離し首位で折り返し、一強の様相を呈しているが・・・果たしてジャイアンツがこのまま独走するのか――。
「セ・リーグのポイントはやっぱり広島カープだったと思います。開幕直後の不調、4月後半から5月にかけての躍進、そして交流戦以降の大型連敗。そのなかで、開幕から安定してちょっとずつ貯金を増やしたジャイアンツが走り始めている」
そう分析するのは野球解説者の井端弘和氏だ。
中日ドラゴンズで攻守に活躍し、チームの勝利に欠かせない「勝ち方」を知り尽くすプレイヤーでもあった井端氏に、強いチームの秘訣と後半戦への展望を聞いた。
ジャイアンツは走り続けるのか?
目下、セ・リーグペナントレース争いへの興味は、ジャイアンツがこのまま走るのか、それとも対抗馬が現れるのか、に収れんされるだろう。
開幕前、ジャイアンツと並んで優勝候補に挙げられていたカープの今シーズンはまさにジェットコースター。
開幕後、15試合で全5球団に負け越すという4勝11敗のスタートも、5月には20勝4敗1分けと、大きく盛り返し首位に躍り出た。しかし、交流戦以降、再び調子に陰りが見え、7月には11連敗(1引き分けをはさむ)。結局、借金を抱えたまま前半戦を終えた。
井端氏は言う。
「丸選手が抜けた穴、などともいわれますが軒並み選手が不調であることがすべてだと思います。逆に個人成績を見れば、途中まで首位争いができていたことがすごい。その中で月間20勝する爆発力もある。やっぱり3連覇を経験した力、なにより“勝ち方”を知っているのでしょう」