奴隷子孫への償い、米ジョージタウン大の学生らが基金設立へ

米首都ワシントン郊外にあるジョージタウン大学のキャンパス(2018年8月19日撮影、資料写真)。(c)Daniel SLIM / AFP〔AFPBB News

 今回は、大学生協を応援する記事をお送りしたいと思います。

 最初に結論。

 今もし、大学生協が全く機能しなくなってしまったら、日本の大学が進めている基礎研究、本質的なイノベーションなどは、止まってしまうと思います。

 「大学で研究しているのは先生だろう。生協が休んだからって、仕事が止まるわけがない」という方がいたら、それは素人考えにほかなりません。

 かれこれ私の教授業も四半世紀近くになりつつあり、改めて痛感します。スタッフなくして動く研究など、一つもありません。

 とりわけ、生協の「縁の下の力持ち」ぶりは、ただごとではないと思います。

改めて、大学とは何か?

 2000年の冬、ノーベル化学賞を受賞された白川英樹先生が、どれもこれも同じようなメディアの質問に辟易していると前置きされながら、ご自身のお考えを述べられるのをテレビで拝見し、興味を持ちました。

 そこで、オフィシャルなルートでアポイントメントをお願いして「授業用のビデオインタビュー」をお願いしたところ、快く受けてくださいました。

 当時私は東京大学教養学部で全学必修、文理共通「情報処理」という科目を持っており、30代半ばの助教授だった私は、東京大学に合格した全1年生が必ず履修する情報基礎科目のために、オーディオビジュアル教材を準備していたのでした。

 白川先生は開口一番、こう言われました。

 「大学を構成する要素は3つ、教官、事務官そして学生。ここから学生を取ってしまったら、大学ではなくて研究所になってしまう。学生がいるから大学になる。これが、私が大学を考えるときの原点」

 素晴らしいお考えだと思いました。この原点から派生して、具体的な教育の細部に発展する白川先生のご議論は別の機会に譲りましょう。