原巨人が開幕から好発進だ。10日の中日ドラゴンズ戦(ナゴヤドーム)は2―3で惜敗。とはいえ開幕2試合目から6連勝を飾ったことが功を奏し、東京ヤクルトスワローズに並ばれながらも貯金「3」で首位の座にいる。まだ開幕11試合目でV奪回云々を語るのはいささか早過ぎるが、スタートダッシュに成功したことは間違いないだろう。

 舞台裏で冴え渡っているのが、今季から通算3度目の再就任となった原辰徳監督のマネジメント能力の高さだ。特に何かと気難しい助っ人外国人に対する人心掌握術は目を見張る。

チームで浮いていたビヤヌエバに「ビヤ!」

 規定により4人までとなっている一軍の外国人選手登録枠は10日現在、アレックス・ゲレーロ外野手とクリスチャン・ビヤヌエバ内野手、守護神のライアン・クック、先発左腕のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手で占められていた。このメンバー以外にも現状で一軍の戦力として考えられているテイラー・ヤングマン投手は外国人枠の関係で二軍調整中。だが13日のヤクルト戦(東京ドーム)で先発マウンドに立つ予定のため、前出の4人の中から誰か1人が登録枠から外れなければいけない。

 結局、10日の試合で力投しながら逆転2ランを浴びて今季初黒星を喫したメルセデスが出場選手登録枠を外れる形になった。しかし、これはいわゆる〝投げ抹消〟。今季の巨人助っ人たちが軒並み優良であるがゆえに取らざるを得なかった苦肉の策である。首脳陣としては「嬉しい悩み」といったところであろう。

 当初は登録枠から外される有力候補と目されていたビヤヌエバが9日の中日戦(ナゴヤドーム)で来日1号を含む2本塁打を放って打棒を爆発させた。8日、9日の横浜DeNAベイスターズ戦(横浜スタジアム)でも2試合連続でマルチ安打をマークしており、ようやくここに来て本領発揮の兆しを見せ始めた。