2019年は、iPhoneのビジネスモデルが崩壊する年となるだろう。
2007年のiPhone発売から、スマホ市場は一貫して成長してきた。しかし、世界のスマホ出荷台数は、2018年に前年比4%減の14億台、2019年は前年比1%近い減少となり、2年連続のマイナスになるとの見通しを、米国調査会社IDCが発表した。世界的に、スマホ市場が曲がり角を迎えている。
特に米国アップル社のiPhoneは、新機種が売れていない。有機EL(OLED)ディスプレイを採用した機種(XS、XS Max)が惨憺たる状況なのだ。そのため日本でiPhoneを扱う販売店は、iPhone8などの型落ち品や安価版のXRなどの大幅割引販売と、法規制前の「実質0円」端末の駆け込み需要での対応を余儀なくされている。
当のアップルは、iPhoneの新型3種機種の生産台数を、2018年1月~3月に当初計画から10%程度減らすとした。スマホの2割を販売する中国市場において、2018年10月~12月期の売上高が6四半期ぶりに減少に転じ、アップル全体でも9四半期ぶりの減収となる。
こうした事態を受け、今年1月初旬のアップルの株価は10月につけた最高値から35%値を下げたばかりか、iPhoneの組み立てを請け負っている鴻海の株価も同期間に26%ほど下げた。iPhoneの売上高は年間約18兆円にものぼることから、世界中のアップル関連銘柄を「アップルショック」が襲い、株価は大きく下落したのだ。
それほどまでの影響力を持つiPhoneだが、なぜこれまでスマホ市場で独走し、そして今なぜ崩壊に向かっているのか? 私の見解を述べてみたい。