米グーグルが検索アルゴリズムの大幅改訂を行ったと発表して話題になっている。同社の目的は「コンテンツファーム(content farm)」と呼ばれる、検索結果の上位表示だけを狙った内容のないウェブサイトを排除するというもの。

グーグル、「インスタント・プレビュー」開始 検索サイトの画像表示

グーグルの本社〔AFPBB News

 ユーザーの検索意図と関連性のないウェブサイトが上位表示されてしまうと、サービスの使い勝手が悪くなり、ユーザーの満足度が低下する。

 結果としてライバルの検索エンジンに顧客を奪われてしまうことからグーグルは定期的にアルゴリズムを改良している。

 グーグルは今回の改訂に先立ち、同社のウェブブラウザー「クローム(Chrome)」用の拡張機能「パーソナルブロックリスト(Personal Blocklist)」を公開していた。

 これをインストールしておくと、検索結果ページのリンク欄に「このドメインを遮断する」という1行が追加される。これをユーザーがクリックすると、その情報がグーグルに送られ、以後そのサイトはユーザーの検索結果から除外される。

 今回の改訂に際し、グーグルはこの拡張機能には頼らずに改良を施したとしている。

 ただ、アルゴリズム変更後に低品質と判断されたサイトと拡張機能のデータを比較した結果、ユーザーが最も多く遮断した数十のサイトのうち84%が新たなアルゴリズムでも順位が下がったと説明している。

 この改訂で、同社サービスで行われる全検索の約12%に大きな影響を及ぼすサービス向上につながったと自信を示しており、今後米国以外の国でも実施するとしている。

グーグルとサイトのイタチごっこ続く

 グーグルが1998年に検索サービスを始めた当時は、ほかのサイトから張られているリンクの数を主な指標としてサイトの順位を決めていた。つまりリンクがたくさん張られているサイトは一定の支持を得ているものと見なし、ユーザーが探している情報に近いと考えたのだ。

 しかし、上位表示を狙う企業がこの仕組みに気づき出すと、様々な手法が考え出された。例えば米百貨店大手のJCペニーはお金を支払って、関連性のないサイトにリンクを張ってもらっていた。