「将来社会を革命的に変えるかもしれない」と言われ続けているのに、友人や同僚と話をしていても、いまだに「ブロックチェーンはよく分からない」という感想を打ち明けられた経験を持つ人も多いのではないでしょうか? そこで今回は、ブロックチェーンに関する具体的で効率的な情報収集のヒントをお伝えしたいと思います。

海外でも一般メディアが扱う情報は質・量ともに不十分

 前回の寄稿(「本当に知ってる? 仮想通貨とブロックチェーン」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55005 )では、2018年を通じて検索サイトのグーグルで最も検索された文言が「ブロックチェーン」や「仮想通貨」だったにも関わらず、国内マスメディアにおいてその需要に見合うニュースが提供されてないのではないか、という問題意識をお伝えしました。

 改めて海外のマスメディア含むニュースサイトを眺めてみて感じることは、海外もそれほど大差がないのかもしれない、ということです。

 例えばニューヨーク・タイムズ、フィナンシャル・タイムズ、エコノミストなどでの最近の報道を見てみると、昨年と比べて減少している印象を受けます(ニューヨーク・タイムズなどではロイターなどの通信社の記事の転載が増えているようです)。世界中のあらゆる地域で同時多発的に進んでいる「クリプト」と呼ばれる仮想通貨やブロックチェーンの発展についてのニュースは、あまりに変化が早すぎて、既存の報道機関の体制では追いつくのがなかなか難しいのではないかと推察します。

 一方でクリプトに特化したニュースサイトは新しく数多く生まれ、毎日何十ものトピックが取り上げられています。そのままでは「ノイズ」となりがちな膨大な情報の中から、どのように重要な情報(シグナル)を見つけ出すかがますます重要になりつつあります。

 そこで、今回ご提案したいのは、すべてを理解しようとするのではなく、あくまで自分の興味や業務の延長として興味が持てそうなテーマ、あるいはアンテナを張っておくべきニュースについて、効率的に情報収集する方法です。3つのポイントに分けてお伝えしたいと思います。

 と、その前にひと言。そもそもブロックチェーンの情報を能動的に追いかける必要性は、多くの人にとって現時点ではそれほどないかもしれません。ただ、2年後、5年後、あるいは10年後の社会では「知っていて当たり前」になっている可能性があります。かつてインターネットが社会に大きな変化をもたらしましたが、その機会を巧みにビジネスに結び付け大成功した人もいますが、ほとんどの人はただ傍観し、現在も単なる一ユーザーの立場に留まっています。仮想通貨やブロックチェーンは、かつてインターネットが社会にもたらしたのと同じくらいのインパクトを与える可能性があると言われています。その技術に少しでも興味を持っている人にとっては、最新動向についての情報取集は無視できないテーマだろうと、個人的には感じます。

 もう一つ、情報収集のことに触れておきたかった理由は、実際にブロックチェーンに興味を持った(あるいは業務上持たざるを得ない状況になった)際、通常のマスメディアを通じて受動的にニュース消費をしているだけでは、良質な情報に出会う機会が極めて限定されているのではないか、と強く感じるようになってきたからです。