業績向上を目的とした組織改革や人材開発、リーダー開発の加速に向けてエグゼクティブ・コーチングを提供するコーチ・エィの「Coach's VIEW」から選りすぐりの記事をお届けします。
自分の「顔つき」を客観的に評価できていますか。

(文:コーチ・エィ 片桐多佳子)

「組織のパフォーマンスを高めるために重要な『変数』は何ですか?」

 エグゼクティブ・コーチングのクライアントにする質問です。

 外部環境や企業風土、社員の能力、リーダーである自分自身の考え方や価値観、スキルなど、人によってさまざまな答えが返ってきます。

 この質問への答えとして、クライアントからは滅多に返ってこないけれど、私がとても重要だと思う「変数」があります。

 それは、「顔つき」です。

 多くの人を動かすリーダーが「顔つき」に注意を向けることは、決して無駄な事ではないはずです。

 もって生まれた「顔」は変えられませんが、「顔つき」はコントロールできます。

「顔つき」はなぜ大事なのか?

「顔つき」が相手や周囲に与える影響については、心理学者アルバート・メラビアンの「メラビアンの法則」をはじめ、今もさまざまな研究が進んでいます。

 プリンストン大学の心理学者アレクサンダー・トドロフ博士によると、人は0.03~0.04秒という極めて短い時間の間に、相手の顔に「第一印象」を抱くそうです。

 それは、11カ月の赤ちゃんでも同様の傾向があり、「信用できない顔」よりも「信用できる顔」の方へと這っていく傾向があることが分かりました*1

 トドロフ博士はこんな実験もしています。