昨年1年間に世界の消費者に販売された携帯電話の台数は15億9700万台で、前の年に比べて31.8%増加した。
中でも高付加価値端末のスマートフォンは同72.1%増と高い伸びを示しており、スマートフォンが全携帯電話端末に占める割合は19%に達した。この割合は1年前は14%だった。
これに伴って上位メーカーのシェア争いがいっそう激化している。こうした調査結果を米国の調査会社ガートナーがまとめている。
この調査によると、2010年の世界携帯電話市場の上位5メーカーは、(1)フィンランド・ノキア、(2)韓国サムスン電子、(3)韓国LGエレクトロニクス、(4)カナダRIM(リサーチ・イン・モーション)、(5)米アップル。
前の年は英ソニー・エリクソンと米モトローラがトップ5に入っていたが、RIMとアップルがシェアを奪ってこの2社の順位を押し下げた。
また上位5社のうちRIMとアップル以外のシェアはいずれも低下しており、ガートナーのアナリストによると「特にノキアとLGエレクトロニクスはスマートフォン戦略の見直しを迫られている」という。
スマートフォンは携帯電話市場でますます存在感を増しているが、現在のところ先進国市場に集中している。昨年10~12月、全世界のスマートフォン販売のうち、北米と西欧を合わせた台数が52.3%を占めた。これらの地域では携帯電話の半数近くがスマートフォンになっている。
アンドロイド、ノキア製シンビアン端末を上回る
スマートフォンの基本ソフト(OS)別販売台数を見ると、ノキアの「シンビアン(Symbian)」がトップを維持したものの、そのシェアは37.6%となり1年前の46.9%から大きく低下している。
一方グーグルの「アンドロイド(Android)」はシェアが22.7%で2位となった。販売台数は1年前から888.8%増、つまりほぼ10倍に増えている。
アンドロイド端末はここのところ急速なペースで増えており、とりわけ10~12月の伸びが顕著だった。これに対しシンビアンは減少している。
先頃、英国の調査会社カナリスが10~12月の世界のスマートフォン販売でアンドロイドの台数が3290万台となり、ノキアの3100万台を抜いてトップになったと発表していた。