ウォールストリート・ジャーナル などの米メディアの報道によると、米アップルはこのほど、中国で運営するアプリストア「App Store」から、同国で違法とされる多数のアプリを削除したという。
国営テレビがアップルを批判
これに先立つ今年(2018年)7月、「App Storeでは、正規の宝くじアプリに見せ掛けた違法なギャンブルアプリが蔓延ししている。アップルはそれらを放置している」と、国営テレビの中国中央電視台(CCTV)が報じていた。中国のニュースメディアは、これまでにも、たびたび、「アップルは違法コンテンツについて、十分な措置を取っていない」などと非難していた。
今回アップルが削除したアプリの数は2万5000種に上る。アップルも8月20日に声明を出し、「我々は数多くのアプリを削除した。ギャンブルアプリを配信しようとしている開発者も排除した。今後も気を抜くことなく、違法アプリを探し、排除していく」と述べた。
しかし、それでも中央電視台は、「過去にダウンロードされたアプリは、依然、利用者の端末で使える状態になっている」「違法アプリに寄せられた肯定的なコメントを放置していたことも、利用者をミスリードすることにつながった」と、アップルを非難しているという。
中国に従わざるを得ない現状
今回アップルが取ったような迅速な行動は、ここ最近、米国のテクノロジー企業が置かれている立場を如実に表しているとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。