博水社の主要商品(飲食店用リターナブル瓶)

 急速に進む都市再開発によって失われつつある東京・下町の飲み屋の情緒。目黒から東急目黒線で4分の武蔵小山や隣接する西小山もそんな街のひとつ。

 しかし、その流れを断ち切り、東京のローカルな酒場文化を守ろうと立ち上がった女性がいる。地元・武蔵小山で90年の歴史を紡いできた博水社3代目社長・田中秀子さん(57)だ。博水社は「ハイサワー」の名を冠した一連の商品群で知られる割り材のメーカーであり、累計販売数は16億5000万本(200ml瓶換算)を超える。

美尻カレンダー2018年版

 彼女が地元の大衆酒場文化を守る“切り札”として打ち出したのが「ハイサワー特区(通称・美尻特区)」構想であった。

“美尻たち”をプリントした数々のグッズが特区加盟店(居酒屋やスナックなど)を彩り、常連客のリピート率を上げ、また新たな客層を掘り起こすなど、この2年間で一定の成果を挙げつつある。

 後編では、そんな田中秀子さんと博水社の歩みと、同族企業の承継者としての彼女のリーダーシップについて訊く。

(前編)「大規模再開発に立ち向かう『ハイサワーと美尻』」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53733