日系ビッグスリーことトヨタ、日産、ホンダは、中国ビッグスリー(上海汽車集団、第一汽車集団、東風汽車集団)の一角とそれぞれ提携しています。
提携数だけに限れば、トヨタ、ホンダ、三菱の3社と提携している広州汽車が最大ということになります。同社の日系車販売比率は実際に中国市場においてトップクラスにあり、地元の広東省周辺は日系車比率が高い地域となっています。
マツダとフォードと長安汽車の関係
マツダは現在、重慶長安汽車(長安汽車)との間で「長安馬自達(長安マツダ)」という合弁ブランドを展開しています。
マツダが中国に進出した当初は、これに米フォードを加えた「長安フォードマツダ」というブランド名でした。当時はマツダとフォードの間で資本関係があったためです。しかしその後、フォードがリーマン・ショック後にマツダ株を売却したことを受け、2012年に長安フォードマツダは「長安フォード」と「長安マツダ」に分社化されました。
実は、その分社化前後までマツダ車の中国での売れ行きは惨澹たる有様でした。もう1つの販売チャンネルである「一汽馬自達(一汽マツダ)」も振るわず、筆者から見て中国市場撤退もありうるのではないかと思われるほどでした。
ところが長安フォードマツダの分社化以降から急激に経営が持ち直します。ここ数年は販売台数が毎年過去最高を更新しており、直近に当たる2018年上半期(1~6月)の中国市場販売台数が前年同期比7.6%増の14.6万台を記録するなど絶好調が続いています(下のグラフ)。
マツダのこの復活劇の要因は何でしょうか。筆者は、単純に「アテンザ」や「CX-5」をはじめとするマツダの自動車ラインナップが良くなったことに尽きると見ています。特に「アテンザ」は欧州の超高級車と並んでいてもデザインが見劣りせず、上海で見かけるたびに良くできた車だといつも感心しています。
スズキは昌河汽車との提携を解消
このほか日系ブランドに関する最近のトピックとしては、先月発表されたスズキの提携解消も見逃せません。
スズキは現在も提携を続けている長安汽車のほか、江西昌河汽車(昌河汽車)との間で「江西昌河鈴木汽車(昌河鈴木)」という合弁会社を設立していました。しかし販売不振を理由としてこの6月に提携を解消したことを発表しました。江西昌河鈴木汽車のスズキグループ保有の全持分(46%分)は昌河汽車に譲渡されました。