大都市・上海で、日夜、人間とダニとの戦いが繰り広げられている(写真はイメージ)

 ダニが憎くて仕方がありません。

 中国生活がそこそこ長い筆者ですが、もし中国で生活していて不満に感じる点を聞かれるのなら、真っ先にダニの存在を挙げます。ダニを筆頭に中国の害虫は日本の害虫よりもタフなようです。そのため、日本では通用するはずの対策がなかなか通用しません。

 そこで今回は、害虫が増える真夏のシーズン前に、筆者の中国でのダニとの格闘の日々を紹介します。皆さんがダニ対策を講じる際の参考にしていただけると幸いです。

ダニはどうして2カ所を刺すのか?

 まず、基本知識としてダニの生態とその害虫被害について紹介しましょう。

 ダニは古来より人間にとって身近な害虫の1つです。野外では湿った草むらなどに多く生息し、人家では湿った布団や衣類などに繁殖する傾向があります。人間にとって有害なダニは主に「マダニ」や「イエダニ」と呼ばれる種類で、その死骸やフンがアレルギーとなって皮膚炎を起こすほか、寝ている最中などに咬みついて強いかゆみを引き起こします。

 ときには高熱などを引き起こし最悪の場合は死に至る可能性すらある「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」のウイルスがマダニから感染することもあります。厚生労働省の発表によると、日本でも毎年約60人のSFTSウイルス感染者が出ており、野外でマダニに刺されないよう注意喚起が出されています。