次世代自動車産業の主戦場となる「完全自動運転車」。その主導権争いは日々激しさを増しています。
EVの先駆者テスラや、グーグル、アップル、アマゾンといったメガテック企業の動向は、日本でも非常に注目されています。
また当然ながら、トヨタをはじめとする日本のメーカーの開発状況にも高い関心が払われています。
その一方で、かつて世界の自動車産業をリードしてきたGMやフォードの現状はそれほど注視されていないような気がします。「ビッグ3の一角であるクライスラーは英フィアットの傘下入りしてしまった。GMやフォードにしても販売台数でフォルクスワーゲンやトヨタの後塵を拝している。次世代自動車をリードする勢いはないだろう」。そう思い込んでいるのなら、考えを改めたほうが良いでしょう。
GM、フォードともに、個性的なリーダーの下で次世代自動車では覇権を取り戻すべく猛烈な開発投資を行っているからです。完全自動運転の世界を彼らがけん引する可能性は、実は非常に高いのです。
(第1回)「2019年が『完全自動運転元年』になる現実を直視せよ」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53383
(第2回)「グーグル、アップル、アマゾンは自動車をこう変える」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53451
2019年には無人タクシーが登場する!?
まずはGMの完全自動運転における開発状況から見てみましょう。
2018年1月、世界が驚きました。GMが「2019年内の完全自動運転車の実用化」を発表したからです。
GMが発表したのはいわゆる「レベル4」の自動運転車。人間が運転にタッチすることなく、車が自律的に目的地まで走行してくれるというレベルです。実際、公開されたコックピットのビジュアルイメージには、ハンドルもペダルも見当たりませんでした。