クアルコムがアップルを提訴、一部iPhoneの輸入差し止めも要求

米アップルのロゴ。フランスのベルトゥで(2016年12月28日撮影)。(c)AFP/LOIC VENANCE〔AFPBB News

 かつて、米アップルには、「Titan(タイタン)」と呼ばれる秘密の自動運転車開発プロジェクトがあり、同社はこれに膨大な数の人材を投入し、技術開発に取り組んでいると報じられていた。だが、ここのところ、このプロジェクトに関する話は、あまり耳にしなくなった。

フォルクスワーゲンと提携

 そうした中、米ニューヨーク・タイムズは、5月23日付の記事で、アップルがこのほど、自動運転車の開発で、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンと提携したと報じた。

 今はフォルクスワーゲン・グループの子会社になっている、イタリアの自動車デザイン会社、イタルデザイン・ジウジアーロの研究施設で、フォルクスワーゲンのバン「T6 Transporter」をベースにした自動運転車を開発するのだという。

 ただし、目的は、市販車の開発ではない。アップルは、これを、米シリコンバレーにある2つの社屋間を往復する、従業員用小型バスとして使う計画という。

 車台や、車輪、車体などはT6 Transporterのものが使われるが、これに、コンピューターやセンサー、電気自動車(EV)用大容量電池を取り付け、シートやダッシュボードなどの内装も変更すると、ニューヨーク・タイムズは伝えている。

岐路に立たされたTitanプロジェクト

 これまでの経緯を簡単に振り返ってみる。アップルは2014年にTitanプロジェクトを立ち上げたとされる。昨年4月には、同社がカリフォルニア州で走行試験に関する許可を得たと伝えられた。認可を受けた車両は、ソフトウエアやハードウエアを組み込んで改造した複数台のSUVで、車種は「Lexus RX 450h」。

 2016年11月、アップルは米運輸省が公開した自動運転車に関する連邦政府指針に対し、書簡を送り意見を表明した。この中で同社は、マシンラーニング(機械学習)とオートメーションの技術に多額を投じていることを明かした。