「ネットで買うのは低価格の日用品が中心。特に洋服は実際に見て着てみないと分からないからファストファッション以外、ネットでは買わない」──そういう世間の“常識”を打破するO2O(オンライン・トゥー・オフライン)サービスを開発し、国内外から注目される人物がいる。スタイラーの創業経営者・小関翼氏(35)だ。
従来のように、ネットでキーワード検索をかけるのではなく、同社のスマホアプリに、たとえ拙い表現であっても、「~のシーンで着る洋服がほしい」とか「・・・なスニーカーがほしい」と言った要望を投稿すれば、首都圏を中心に日本各地の実店舗から、具体的な商品の提案を受けることができる。何回かのやり取りの後、気に入ればそのまま購入することも、実店舗に出向いて試着することも自由だ。また、最初のやり取りは他のユーザーも見ることができるので、自分の購買行動の参考にしているケースが多いという。
日本のアパレル業界は、長引く低迷ですっかり“守り”の姿勢に入ってしまい、ユーザーが自分の好きなブランドの実店舗に行っても、「買いたいと思えるような商品がない」状況が続いていた。しかし、スタイラーのサービスが出現したことで、ネットを通じて“未知のブランドや未知のデザインと出逢えるワクワク感”を味わえる可能性が出てきた。もちろん、不振にあえぐアパレル業界にとっても新たな売上機会出現の意味は大きい。
とはいえ、同社の行く末は盤石なのだろうか? そして、同社が進めるアジア戦略にはどのような勝機があるのか?
◎(前編)元銀行マンが開発した、かつてない“洋服の買い方”
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52712