日米韓の合同軍事訓練始まる、北ミサイル追跡のシミュレーション

北朝鮮が実施した大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」発射実験の様子を写した写真。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が配信(2017年11月29日撮影、同30日配信)。(c)AFP PHOTO/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

 政府は平成30年度予算案に、航空自衛隊の戦闘機に搭載する長射程の対地・対艦ミサイルの関連経費を計上することを決めた。導入を検討するミサイルは次の3種類である。

「JSM: Joint Strike Missile」
「JASSM: Joint Air-to-Surface Standoff Missile」
「LRASM: Long Range Anti-Ship Missile」

 JSMはノルウェー製で、射程約500キロ、航空自衛隊(空自)の次期主力戦闘機「F35A」に搭載し、対艦と対地の両方に使える。

 JASSMは米国製で対地攻撃用であり、LRASMは対艦攻撃がメーンだが対地攻撃も使える。共に射程は900キロで、「F15」戦闘機への搭載を念頭に、機体改修の調査を行うという。

無知がもとで一斉反発する野党とメディア

 概算要求には含まれておらず、しかも臨時国会閉会後に発表したとあって野党およびメディアは一斉に反発した。

 政府の説明も画期的な新装備導入を決断した割には防戦一方で、ややちぐはぐな印象がある。だが、野党やメディアの反発もまた、軍事的知識の欠けた暴論に近いものがある。

 最も声が大きい反発は「専守防衛に反する」というものであろう。理由として2つあるようだ。1つは精密攻撃能力があること、そして2つ目は射程が長いことだ。

 精密攻撃能力については、「F4ファントム」戦闘機導入時、航続距離の長い戦闘爆撃機ということで論議になり、専守防衛に反するとした野党の主張に配慮し、わざわざお金をかけて爆撃計算機を外したことがある。

 莫大な費用をかけてまで能力を下げたうえで兵器を導入するのは国際常識ではあり得ず、世界の笑いものになった。

 その後、軍事科学技術の進展に追随するため、F4へ爆撃計算機を再装備し直している。F15戦闘機導入時には、さすがに爆撃計算機を外すことはなかった。