アマゾン・ドットコムが今年8月下旬に買収手続きを完了した「ホールフーズ・マーケット」は、今のところ、従来と同様の店舗形態で運営されている。
しかし、このスーパーマーケットチェーンは、今後、アマゾンの戦略や最新テクノロジーなどによって、販売形態が大きく変わる可能性がある。それを知る上でヒントとなるのは、同社直営の書店「Amazon Books」だと米ウォールストリート・ジャーナルが伝えている。
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Amazon Booksの戦略
例えば、Amazon Booksでは、陳列している書籍に価格表示がない。その代わり、店員は顧客に対し、自分のスマートフォンを本にかざして、画面で価格などの書籍情報を見るよう促している。
アマゾンは米国で、同社の有料プログラム「Prime」の会員に向けて、書籍を他社よりも安く販売する戦略をとっているが、それをAmazon Booksでも行っている。価格は常に変化するため、スマートフォンで確認するのが最良の方法、というのがアマゾンの考えだ。
店舗内で、スマートフォンを使って、他店やネット通販の価格と比較したりすることを「ショールーミング」と言う。通常は、こうした顧客の行動が小売店に打撃を与えると言われているが、アマゾンはこれをあえて、自社の店舗でやってもらうよう顧客に促しているというわけだ。
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