AIが会議の「空気」「感情」を可視化する

 多くの人が一度はこのような経験したことがあるのではないだろうか。「自分が発言しても意味がない会議」に出席し、決定事項に内心では反対しつつも合意しているかのようにふるまう・・・。繰り返されれば、組織の掲げる戦略・目標に対し、貢献意欲が低い社員が増えてしまうかもしれない。会議や意思決定の場は、参加者が全員が深く創造的なコミュニケーションができるでなくてはならない。

 ではテクノロジーで会議をより生産的な議論の場にできるのか。AIを使った「組織のコミュニケーション進化」を支援するサービスが登場するという。「空気」「感情」といった今まで視えなかったものをAIで「可視化」し、コンサルティングによって組織のコミュニケーション力を上げていく「DIA diver(ダイアダイバー)」というものだ。

アメリカ臨床心理学博士アレクサンダークリーグ氏が監修した「人間の微表情」を読み解き感情を分析するディープラーニングのAI技術を採用している。

DIA diverのAIによる感情分析画面。この情報を元にコンサルタントがが対話状況を見立てる

 ウェブカメラや360度カメラで、会議出席者の表情から内容に対して相互に理解できているかを分析し可視化する。データをもとに、会議参加者すべてが議論が進まなかった違和感や課題を確かめ合いながら、スコラ・コンサルトがコンサルティングを行うという。

・対話の状況は今どのようなプロセスにあるのか
・そのプロセスは進んでいるのか、止まっているのか
・止まってしまっている場合、その制約は何か

 などを振り返りながら、コミュニケーションの質をより深めるプロセスから、高いレベルのビジョン策定・浸透、戦略策定・実行力向上、営業力強化が期待できる。

会議や意思決定の場の「空気」がAIで可視化されることで、参加者全員が議論を深め、企業自身が創造的なコミュニケーションができる組織に進化されるきっかけになるだろう。

 良質なコミュニケーションが生まれ「共に仕事を創る」理想の組織づくりに、AI活用が選択のひとつになるかもしれない。