会議が参加者全員が対等な意見を出し合える場となっているか(写真はイメージ)

会議の決定事項に社員は「面従腹背」?

 組織の理想は「共に仕事を創る組織」。その実態は? スコラ・コンサルトが「会議」をテーマに、一都三県一般社員・部長以上の役職者、合計445人に調査を実施した結果が興味深い。

 一般社員の75%、部長以上の89%が「自分の会社はこうであってほしい、という理想がある」と回答している。続いて、「理想がある」と回答した人に「どんな理想か」を尋ねたところ、「知恵を出し合うクリエイティブな組織」「イノベーティブ」「安心してモノが言える」という「共に仕事を創る組織」という傾向が見えた。

 「トップダウンで社員が動く」「人が機械のように効率的に動く」「ルーティンが安定」という「決められたことを行う組織」という傾向を上回り、その差は約4倍となっている。

 会議の発言機会について「参加者全員が発言する機会が平均的にありますか?」という問いに対し、部長以上は「ある」と6割が回答したのに対し、一般社員の「ある」という回答はその1/2 にとどまり、役職による意識の差が約2倍あること結果となった。

 

 同じ質問を「役職」×「年代別」でも見ていくと、30代の部長以上の7割は「ある」と回答しているが、「ある」と回答した一般社員は3割という結果に。世代だけではなく、役職によっても、意識の差が生まれていることが見えてくる。

 また、もっとも多い会議の結論の出し方についての質問では、一般社員の回答のトップは「ある程度の役職者で話し合って決める」でしたが、部長以上の回答のトップは「全員の意見を総合する」で、ここでも相違があった。

 会議で発言する人、しない人、それぞれの理由は、全体的に「それがチームや会社、組織のためになるから」という回答がトップとなっており、特に30 代では役職に関わらず高い数値であった。母数は少ないものの「しない」人の理由は「自分が発言しても意味がないから」が多く、30代では「下から批判されるから」という回答もある。

 また、「会議のあとでいわゆる『面従腹背』経験はあるか」には、20・30 代の役職者で「よくある」という回答がトップとなり、他の世代の4倍近くとなっている。