9月28日、臨時国会の冒頭で安倍晋三首相が衆議院を解散すると表明しました。
安倍首相は、消費税率を10%に引き上げる際の増税分の使い道について「国民に信を問う」とのことです。これまでは増税分を国家債務の返済に使うとしていましたが、方針を改めて2兆円規模の政策財源に充てるとしています。
医療費を含む社会保障費が増加していることへの対応としては、「すでに抑制する努力をしており、これからも続けていく」と報道されています。具体的には、2018年度は6300億円と見込まれる自然増を5000億円以下に抑えるため、1300億円削減する方針とのことです。
今回は、医療費削減と医療の質向上を両立させる有力な手段となりうる「遠隔診療」と「人工知能を使った診断支援システム」の活用について、紹介したいと思います。
遠隔診療は医療費削減に貢献するか?
まず、“スマホ通院“とも称される遠隔診療についてです。
この8月、医学雑誌「Lancet」に遠隔診療の大きな可能性を示す論文が掲載されました。オランダで、潰瘍性大腸炎などの難病である炎症性腸疾患患者に遠隔医療システムを用いた自己管理システムを使用したところ、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を保ちつつ外来受診回数や入院回数が有意に減少したというのです。
現在、MRT社の「ポケットドクター」、メドレー社の「CLINICS」などのシステムを使用することにより、患者はスマホ上で診療してもらうことが可能になっています。通院の移動時間、会計の待ち時間がなくなるため、仕事をしている方は、通院コストが大きく削減できているものと思います。