業績向上を目的とした組織改革や人材開発、リーダー開発の加速に向けてエグゼクティブ・コーチングを提供するコーチ・エィの「Coach's VIEW」から選りすぐりの記事をお届けします。
きちんと自分は聞こうとしているだろうか?

(文:コーチ・エィ 鈴木義幸)

 ある金融会社の営業部長から、相談を受けたことがあります。

 コーチングを学んでいるが、なかなか板につかない。
 なぜ、自分がやってきたような営業を部下はできないのか。
 どうしてもイラつきが顔に出てしまう。
 パフォーマンスが上がらない部下をどうしても頭ごなしに怒ってしまう。
 結果、部下は萎縮するばかりで、決して成績はよくならない。
 どうしたらいいか、と。

優秀な元営業マンがつぶやく一言とは?

 この部長さんだけでなく、営業で部長レベルの役職に就いている人は、大抵の場合、一営業マンとして活躍した経験をおもちです。営業マンとして優秀であったからこそ、昇進した。

「カタログ営業」で、商品を見せてゴリ押しすれば売れるような時代ではありません。何を売るにも、まずは顧客の話をしっかり聞き、質問を投げかけ、ニーズを掴まなければ、売ることはできません。

 ということは、「営業部長」には、コーチングのベースとなる、聞く力や質問力は、すでに備わっているということになります。

 ところが、顧客にはできることが、部下が相手となると全くできなくなる。

 なぜでしょうか?