去年9月の「国籍喪失証明」がなぜ今ごろ出てきたのか

 日本の国籍法は複雑で、特に蓮舫氏は国籍法の改正にともなう経過措置(附則第5条)で父親が日本国籍を取得したので、そのあと3年以内(1988年まで)に台湾国籍を取得しないといけないとは知らなかったと思われる。その後は二重国籍の違法状態だった。

 これは彼女が芸能人なら大した問題ではないが、彼女は2004年に参議院議員になった。そのとき選挙公報で「1985年に台湾籍から帰化」と書いたが、これは明らかに経歴詐称(公職選挙法違反)で、今週の会見で彼女も認めた。

 これは彼女が記者会見で言った「多様性」とは無関係だ。この話は「蓮舫氏が東大卒と学歴詐称して参議院選挙に当選した」と置き換えても同じで、過去に学歴を偽った国会議員が2人、辞職している。

 さらに深刻なのは、彼女の出した書類は本物かという問題である。国籍喪失許可証書は昨年9月13日付だが、わずか1週間で許可が下りることは考えられない。これは台湾政府の政治的配慮だったと思われる。

 台湾政府の公式ウェブサイトでは、次のように「民国105(2016)年10月17日に内政部で審査が終わって外交部に送った」となっていたが、この表示は12月17日に消え、その後は「謝蓮舫」についての記録はすべて消えてしまった。

 つまり少なくとも昨年10月17日まで台湾政府が審査していたはずだが、それが今ごろになって昨年9月13日に遡及して許可されたのだ。これは台湾政府の事情ではなく、蓮舫側の事情だったと思われる。

 彼女が昨年9月15日の代表選で当選したとき、まだ二重国籍問題の決着はついていなかった。本当に13日に許可証が出ていたのなら、代表選のとき見せることができたはずだ。国籍喪失許可は、戸籍謄本とは無関係の公的書類である。

 ところが彼女は、そのときは何も証拠を出せないまま当選し、今ごろ「代表になる前に二重国籍は解消していた」という。残念ながら、それが嘘だということは、上のネットに残った台湾政府の公式サイトの記録で証明されているのだ。