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トランプ大統領、安倍首相と会談 北朝鮮問題は「解決されるだろう」

先進7か国(G7)首脳会議(サミット)が開催されるイタリア・タオルミナで、個別会談に臨むドナルド・トランプ米大統領と安倍晋三首相(2017年5月26日撮影)。(c)AFP/MANDEL NGAN〔AFPBB News

 もしアメリカ合衆国大統領トランプ氏が、反グローバリズム、孤立主義といった政策を推し進めれば、世界は分断され、経済危機に陥るでしょう。世界はこれまで多くの経済危機を乗り越えてきましたが、現在、予見されている危機の要因は「政治」です。今、世界でいくつもの大きな変革が起き、経済を不安定にする要因が生まれています。この連載では、世界と日本にどんなリスクがあるのかを大前氏が解説します。

(前回の記事:「分断された世界。『アメリカ・ファースト』はすでに達成されている」

外交・内政とも多くの課題を抱える安倍政権のゆくえ

 安倍政権は外交・内政ともに多くの課題を抱えています。

 外交ではトランプ氏と日米関係をどう築くか、難しい舵取りを迫られています。

 イギリスはEU離脱をめぐる混乱がしばらく続きますし、6月にはメイ首相が仕掛けた解散総選挙があります。

 中国との緊張も高まっています。韓国では朴槿恵大統領の後任として文在寅(ムンジェイン)氏が新しい大統領に選ばれましたが、日本との慰安婦問題の合意は破棄すると言っており、韓国との関係再構築という難題が控えています。

 内政について安倍首相は成長戦略を強調していますが、いよいよ打つ手がなくなり、カジノを含む統合型リゾート施設、IR(Integrated Resort)が成長戦略の中心という「素晴らしい」展開になっています。